FP:分散投資(金融)

分散投資を検討する際に、世界最大の資産規模である日本の年金ファンドGPIFの分散投資割合は参照されたことがある人は少なくないと思う。2019年までは債権への投資割合が高かったものを少しづつ株式へ、海外への投資割合を増やしてきており、
昨年4月からは、株式と債権で半々、日本と海外でも半々と約25%づつで運用している(https://www.gpif.go.jp/gpif/portfolio.html)。

世界の政府系大型ファンドのポートフォリオは日本と類似しているかと言えばそうではない。

例えば、資産がUS$1.3tn(約135兆円)と世界屈指のファンドの一つ、ノルウェー政府年金基金(GPF-G)は1998年から20年以上資産運用してきているが、約71%が株式、約26%は債権、残りは不動産である(https://www.nbim.no/en/publications/reports/ 内のAnnual report 2019 P.7)。割合は若干異なるが、カリフォルニア州職員退職年金基金やカナダ年金制度投資委員会も株式への投資割合が高い(https://www.gpif.go.jp/gpif/faq/faq_07.html)。つまり、海外の政府系基金は日本よりリスクを取っているということ。

しかし、GPF-Gの2020年1-6月のリターンは全体で▲3.4%、内訳は株式▲6.8%、債券5.1%、不動産▲1.6%であった(https://www.nbim.no/en/publications/reports/ 内のHalf year report 2020 P.2)。日本のGPIFの2020年4-9月は11.5%と前年のマイナス(▲5.2%)を取り返している。2020年はコロナ禍によって肥大化したノルウェー国家予算の1/4を年金基金からの収益でカバーしていたが政府予算への組込割合を減らす方向で調整するということだ。

年間収益率は、現在の3%から近い将来には2%に低下すると見込んでいることが、FT Feb 19,2021 P.3に書かれていた。分散投資の一般論では、短期的な変動に一喜一憂すべきではないと言われてはいるが、ポートフォリオを変更するのか、今後の動向に注目したい。

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