PBR1倍割れ

 昨年2023年3月に東京証券取引所が、PrimeとStandard両市場の上場会社を対象に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請を行った。

 10月段階で発表された資料によるとPrimeでは約20%が、Standardでは約4%が取組を開示していたが、1月16日(火)付日経朝刊1面トップには「PBR、4割が改善案(小さく)プライム」と書かれていた。記事内にはStandardでは約12%が開示したとのこと。3ケ月前の10月よりは多少増えたようだ。

 しかし、同じ日のFT 7面には、6割のPrime上場企業が資本効率の改善案の開示に失敗した(fail to disclose)、と書かれていた。FTの記事には、米S&P500には、PBR1倍未満企業は5%しかないとのこと。日本の会社はいかに株価や株主を軽視してきていたか、ということがよく分かる違いに感じられる。同じ記事でも書き方によって、読む側が受ける印象が違ってくるので、メディアの情報はうのみにはできないな、と改めて感じた。

 筆者は数年前から国内・海外の投資信託に投資してきているが、昨年末からは新NISAの盛り上がりもあったので、PBR1倍未満の企業の数社と、それ以外の個別企業にも数社、投資を始めた。投資に関心をお持ちの弊社のお客様や知人に事実ベースで共有する材料を持つことが目的だが、今のところ年始からの日経平均の上昇に引っ張られてか、好調である。

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株式会社ランアクセル
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